IHS iSuppliによると、データサービスの売上げが急成長しているにも関わらず、モバイル通信事業者がスマートフォンやタブレット端末向けブロードバンド要求に対する対応の遅れでマージンが低下し、今後のクラウドを含む新たなサービスやビジネスモデルへの移行を迫られている。

「モバイル通信事業者は、今後2年間で1兆ドル規模まで成長することが見込まれるモバイル通信業界への対応で後れを取ってきた。」IHSの通信およびコンシューマエレクトロニクス分野のシニアディレクタで主幹アナリストのJagdish Rebello, Ph.D.は語る。「このため、半導体サプライヤや端末メーカがマージンを改善している中、世界中のモバイル通信事業者の2010年のマージンは減少した。タブレット端末やコンシューマ中心のスマートフォン利用に影響され、この市場の変化は加速されている。利益向上にはモバイル通信事業者は自らリスクを負い、迅速な動きで革新的なサービスを提供しなければならない。そこでの鍵は、タブレットやその他のモバイル端末向けクラウドサービスである。」
クラウドサービスの明るい未来
図に示されているように、クラウドのパブリックサービスでのコンシューマと企業の投資は2010年の230億ドルから2015年には1100億ドルに成長する見通しだ。パブリッククラウドサービスは、一般に使われているインターネットインフラを用いてソフトウェアやストレージが構成配信され、その活用は急拡大しオンデマンド対応でしかも最小限の管理で行える。IHSでは、モバイル通信事業者のパブリッククラウドサービスでの売上げが2011年の1%以下の状況から2015年には約7%に上昇するとみている。
モバイル通信事業者のマージン低下
世界のワイヤレスデータサービスの売上げは2010年18.5%成長し、その売上げは2180億ドルに達し、2015年にはおよそ3370億ドルになる見通しだ。データサービスの売上げが大きく増加しているにもかかわらず、モバイル通信事業者の平均営業利益率は2009年の20%から2010年には19%に減少した。
タブレットはワイアレス通信事業者抜きで発展
その間にAppleのiPadに独占される形でメディアタブレットの売上げは急増している。メディアタブレットの出荷数は、世界で2010年の1740万台から2011年には245.9%増の6000万台に伸びる見込みだ。2015年には2億7530万台に達する見通しである。メディアタブレットは、インターネットからのリソース提供に大きく依存し、またその使い易さで、ワイヤレスデータのトラフィック量を大幅に増加させている。しかしながら、多くのメディアタブレットは携帯電話接続機能を持たない状態で販売され、またほとんど補助金なしで販売されている。タブレットは、スマートフォンとは対照的にモバイル通信事業者のマーケティングや広告に頼っていない。結果として、モバイル通信事業者は、タブレットのデータプランで利用されるモバイルブロードバンドアクセス料をバイパスされることになる。この不足を補うために、モバイル通信事業者は特にクラウドのような付加価値サービスのようなカテゴリに注力せざるを得ないのである。
クラウドの市場機会と課題
クラウドベースのサービスへの移行には新たな水準のデータセキュリティ、バックアップ、災害時のリカバリ機能が求められる。これは特に、企業のIT環境で企業情報のデータベースが保護され安全性を確保されるために重要となる。これはサービスプロバイダが差別化したサービスを提供し評価を受けるために重要で非常に大きな市場機会を提供する新しいパラダイムである。しかし、クラウド市場はモバイル通信事業者にとっては競合の多い市場となる。市場は既にIBM, EMC, Microsoft そして NetAppのような従来のITプロバイダに支配され、さらに、Apple, GoogleやAmazonのような新たなプレイヤーがひしめいている。
英語原文は、こちらのURLをご覧下さい。
このプレスリリースに関するお問い合わせは下記のWebフォームへお願いします。
● プレスの方
● 一般の方
【プレスリリース発行元】
IHS iSuppli
アイサプライ・ジャパン株式会社
広報部