IHS iSuppli によると、増加するメディアタブレットの脅威に対して、モバイルPC市場は新たにUltrabooksプラットフォームを大々的に推進しており、その出荷数は2015年までにノートPC市場全体の40%以上になることが期待されている。

UltrabooksがノートPC全出荷数に占める割合は2011年で2%、2012年には13%に、そして2015年には43%を占める見通しだ。2011年に初めて出荷されたUltrabooksは急速に普及していき、2013年には全体の28%、2014年には38%を占める。
「メディアタブレットに対抗するためには、ノートPCはより魅力的でよりコンシューマのニーズに訴える製品でなくてはならない」とIHSのコンピューティングプラットフォーム分野の主幹アナリストMatthew Wilkinsは語る。「メディアタブレットはnetbook市場を置き換えながら拡大していることを、PCメーカはしっかりと認識して市場の成長を維持させるような進化を見せなければならない。Ultrabooksでは、メディアタブレットのフォームファクタやユーザインターフェースの利点を生かしながらノートPCとしての魅力も高める必要がある。
メディアタブレットはノートPC市場を置き換えるものではないが、その成長を鈍化させている。主にAppleのiPadによって、メディアタブレット市場は今後数年間急成長し、世界市場での出荷数は2011年から2015年の年次平均成長率(CAGR)で42%以上となる見通しだ。一方ノートPC市場は成熟段階に入り、同じ期間の年次成長率は10%程度にとどまるだろう。
Ultrabooksとは
Ultrabooksは極めて軽量で厚みが0.8インチ以下の薄型ノートPCとして定義されている。UltrabooksはMicrosoft Windowsのような完全なPCのOSを採用しており、さらに今メディアタブレット製品に共通して搭載されているインスタント・オン起動、常時接続のワイヤレスリンク、SSD、また一度の充電で8時間以上のバッテリーライフを持つ。早期モデルはもっと高価であるが、Ultrabooksは1000ドル以下の価格帯をターゲットとしている。
Ultrabooksは将来的にはユーザが使用目的によってノートPCまたはタブレットとして活用できるようなフォームファクタとタッチスクリーンを搭載すると思われる。
初期のターゲット市場はコンシューマ向けである。しかし、PCメーカは企業ユーザを想定したモデルの開発も始めるだろう。
Intel の強力なサポート
複数の企業がUltrabooksを促進しているが、最も強いサポータはPCマイクロプロセッサ大手のIntelである。Intelは今年春のComputex Taipei 2011の発表に続き、9月のIntel Developer Forumでプラットフォームのコンセプトを紹介した。
IntelのUltrabooksの未来図には同社の第2世代コアマイクロプロセッサとMicrosoftから出てくるWindows 8 OSの採用を含んでいる。Intelによると、初のIntelスタイルのUltrabooksは今年のクリスマスシーズンに出荷される予定であるが、AcerやAustekを含む幾つかのPCメーカは既に製品を販売している。
Intel Developer ForumでIntelは、2012年に発売される次世代のUltrabooksには同社の第3世代コアマイクロプロセッサのIvy Bridgeがベースになると予告した。
新たな成長へ向けての変化ポイント
IntelがUltrabooksを推進するのはメディアタブレットの販売が急速に伸びたことへの反応と見られる一方、同社の活動がエレクトロニクスサプライチェーンを再び活性化させるかもしれない。
「Ultrabooksの発表で、コンピューティング業界は、新たなパラダイムシフトへの準備段階に来たといえる」IHSの半導体製造分野に関するリサーチディレクタでアナリストのLen Jelinekは語る。「今の技術は主要なモバイル機器の融合をもたらす可能性がある。もし魅力的な価格設定が出来、コンシューマが絶対に必要な製品だと思えば、半導体製造のサプライチェーン全体が、Ultrabooks市場に合わせて速やかに再構築される可能性がある。」
Jelinekは、これが起これば現在の半導体や機器の製造業界における低迷が終結するだろうと予言する。「Ultrabooks時代には、技術に対する需要は数社に限られているものではないはずだ。」Jelinekはいう。
「Ultrabooksには広範囲な部品が必要となり、メモリ、ロジック、やパワーマネジメントなどに注力しているメーカの全てが新たな需要の再構築に参加する様になる。」
高い成長が見込まれる分野のひとつにフラッシュメモリがある。ノートPCで共通して使用されるハードディスクドライブがSSD(Solid State Drive)に移行すると、チップの平均販売価格を安定化させつつフラッシュメモリ数量に対する需要を増加させる。そのベネフィットはチップメーカだけに限定されるものではなく、バッテリーサプライヤや電子機器製造委託メーカのようなサプライチェーンにかかわる他のプレイヤーにもプラスのインパクトを与える。
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