アイサプライ・ジャパン株式会社(東京都中央区京橋、代表取締役社長:ティム・ワン;Tim Wang)は、7月15日「HP TouchPadの部品コストは318ドル(ティアダウン分析暫定結果)」を発表した。

IHS iSuppliのティアダウン分析の暫定結果によると、HPの新型TouchPadの32GBバージョン(ハイエンド版)の部品コストは318ドルということが分かった。製造コスト10ドルを加えるとTouchPadの32GB版の製造コストの総計は328ドルとなる。この製品の小売価格は599ドルである。
一方、16GBモデル(ローエンド版)の部品コストは296ドルで、製造コストを含めると306ドルとなる。このモデルの小売価格は499ドルである。
表はIHS iSuppliのティアダウン分析サービスによるTouchPadの部品コストと製造コストの暫定値を示している。この分析ではハードウェアコストのみを計上しており、ソフトウェア、ライセンス料、ロイヤルティ、その他の費用は考慮していない。
TouchPadメディアタブレットはアップルの同じカテゴリ製品のiPadとの比較をすると、その類似点は機能やデザインにある。
「TouchPadは、アップルが初代のiPadで採用したものと同じLG社のディスプレイを採用している事やワイヤレス接続としてWi-Fiのみを提供している点でiPadの初代機に非常に似ている。」IHSのティアダウンサービスのシニアディレクタであるAndrew Rassweilerは語る。
「しかしながら、両機種では次の様な大きな違いが見られる。例えば、iPadと違いTouchPadは、超薄型を狙ったデザインを採用していない、またiPadの様な特殊な部材も使ってもいない。HPが選んだプラスチック筐体は機器の厚みを増すものであるし、電子設計の密度もアップル製品と比べると非常に低い。加えて、TouchPadには、他のタブレットにはないワイヤレス充電機能を内蔵している。」
TouchPadが、他のメディアタブレットの競合製品と大きく異なる点は、ソフトウェア面にある。TouchPadでは2010年にHPが買収したPalmが開発したPalm OSに由来するweb OSオペレーティングシステムが採用されている。このOSがiPadやその他数多くのAndroidベースの競合製品に対抗するもので、webOSがTouchPadの最も明確な差別化ポイントになっている。
アップルやサムスン製品より厚い
iPad 2と比較してTouchPadで目立つデザイン上の短所と言えるのは、アップル製品が多くのユーザに支持されている機器の厚みにある。iPad2 は8.8mmとスリムであるがTouchPadは13.7mmと厚い。
「HPは、TouchPadのデザインでは明らかにサムスンがアップルと争っているタブレットの薄さ競争に参戦してない。」Rassweilerは言う。「iPad2はアルミ筐体であるのに対し、TouchPadの筐体はプラスチック製であるため堅牢さで劣り、また部品を搭載するために内枠を追加する必要がある。これらがタブレットの厚みや筐体端面の周りを大きくし、それが全体を大きくしている。一方、この厚みのあるTouchpPadのデザインはiPadで見られるような特殊なパッケージイングや部品、またプリント基板のレイアウトに頼る必要がなくため、結果としてデザイン手法を簡素化し、多くのデザインオプションを与えている。
サイズに重みを置いていないため、iPadの第1及び第2世代品の密な電子部品のレイアウトと比較して、TouchPadのプリント基板上の集積回路や他の部品は、まばらに配置されている。この空スペースは将来TouchPadに3G通信機能を付ける際にワイヤレス部品で埋まるかも知れないとRassweilerと推測する。
ワイヤレス充電機能
TouchPadには、ワイヤレスによるバッテリ充電を可能とするために磁気誘導ループ、即ち筐体の背面にコイルが取り付けられている。このシステムはTouchstoneと呼ばれ、TouchPadが磁気誘導充電器の上に置かれた時にバッテリを充電する。TouchPadにはこの機能が予め供えられているが、実際に動作させるにはオプションのTouchstoneチャージャが必要となる。このTouchstoneは、Palm Preスマートフォンで以前使われていたものである。
iPadにそっくりなディスプレイ
TouchPadのディスプレイは、初代のiPadに搭載されていたものと同じで、9.7インチ型、1,024 x 768 ピクセルのIPS方式を採用した液晶ディスプレイである。ディスプレイはLG Display製で、コストは69ドルである。
ディスプレイ部分がTouchPadのデザインで最も高コストとなっており、32GBバージョンの総部材コストの21.7%を占めている。
2番目に高いのが、容量型グラスオングラス(glass-on-glass)タッチスクリーンアセンブリで、63.50ドルで総部材コストの20%を占めている。ティアダウン分析では、供給メーカを確認出来なかったが、IHS iSuppliでは、WintekまたはTPK Holdingの2社の可能性が高いと見ている。
タブレットの新しいメモリ標準
3番目は、NANDフラッシュメモリで、32GBバージョンで45ドル、総部材コストの14.1%を占めている。NANDメモリはアプリケーションや、ビデオ、オーディオ、画像などのデータストレージ用に使われている。IHS iSuppliの個別部品分析で、SanDisk社が一部特許を持つiNANDスタンダードをベースとした製品を供給している事が分かった。
TouchPadで4番目に高コストな部分はメカニカル/電子機構部位で、そのコストは30ドル、総部品コストの9.4%を占めている。これらには筐体に加えて、プリント基板やコネクタが含まれている。
モバイルDRAM部分はサムスン電子製で、コストは26ドル、全体の8.2%を占めている。TouchPadには極めて高容量の8GbモバイルDDR2 DRAMが使われている。
「他のタブレット製品で使われている4Gbと比較すると、8Gb DDR2はモバイルDRAMとして非常に大容量である。」Rassweilerは言う。「そして、価格も高い。16GBモデルでは、従来メモリの中で最もコスト高だったNANDフラッシュより高くなっている。しかしながら、メモリ価格はバイト当たりのコストが下がり続けているので、8Gb DRAMがタブレット製品の新しいメモリ標準になっていくと見ている。」
単一機能のQualcommチップ
次にコストが高いのはアプリケーションプロセッサで、Qualcomm製の1.5GHzで動作するデュアルコアのマイクロプロセッサ、APQ8060が使用されている。コストは20ドルで総部品コストの6.3%を占める。
「IHS iSuppliのティアダウン分析チームでは、これまで多くのQualcommソリューションを見てきたが、3G通信機能などに代表されるQualcommが得意とするワイヤレス機能が付かない単一のQualcommアプリケーションプロセッサを見たのは今回が最初だった。」とRassweilerはコメントする。「TouchPadの次世代版には3Gワイヤレスサービスが利用出来るより完全なQualcommソリューションが搭載されるだろう。」
分厚いバッテリ
バッテリパックのコストは19.4ドルで、総部品コストの6.1を占めている。TouchPadではAmperex Technology製の2セル型リチウムイオンバッテリを採用している。
「2セル型を使用している点でTouchPadのバッテリパックはiPadの初代製品に非常に似ている。」と、Rassweilerは指摘した。「これは、より薄型にするために厚い2セル型の代わりに、薄い3セル型を採用しているiPad 2と対象的である。」
強力なパワーマネジメント機能
次にコスト高なのはパワーマネジメントサブシステムの12.5ドルで、総部品コストの3.9%を占めている。ここには6つの主要なICが使われており、供給メーカは、QualcommやTexas Instruments、またMaxim Integrated Productsである。
「TouchPadでは結構なパワーマネジメント機能が装備されている。」とRassweilerは言う。「この傾向は最初のiPadから見られた。それはメディアタブレットの中に、一見不釣り合いな数のパワーマネジメント機能が搭載されていると思われた。しかし、特にバッテリパックは、コストやサイズの制約を受けるため、タブレット製品を使う上でキーとなるバッテリーライフに製造メーカが力を入れている自然な成り行きと言える。」
他の注目される点
ティアダウンを通して他にTouchPadデザインで目立ったサブシステム:
l タッチコントロール/ドライバープリント基板
Cypress Semiconductor 製のモジュラー型ターンキーソリューション。Cypress製チップを6つ搭載。
この分野ではAmtelがCypressの主な競合となっている。
l ユーザーインターフェース
InvenSense製の3軸型ジャイロスコープ。
STMicroelectronics製の3軸型磁力計を集積したワンチップ3軸加速度計
l ワイヤレスLAN/Bluetoothサブシステム
Qualcomm Atheros 製のモバイル用RF機能オンチップソリューション。
このチップは他のソリューションと比較してより少ない外部サポート部品で済む。
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