IHS iSuppliのAmazon Kindle Fireのティアダウンで、Amazonのビジネスモデルがオンラインストアでの商品販売を促進するという大きな目的を達成するために端末とデジタルコンテンツ販売の利幅を僅かなものとして価格設定していることが分かった。

IHS iSuppliのティアダウン分析暫定結果では、Kindle Fireの総部品コストは191.65ドルとなり、製造コストを加えると209.63ドルになる。
199ドルの販売価格から見て、部品及び製造以外のファクターとして端末あたりのデジタルコンテンツの販売を想定しており、AmazonはKindle Fire一台あたりの利幅を10ドル創出されると想定していると思われる。
しかしながら、Kindle Fireが与えるAmazonへのベネフィットは、ハードウェアの販売やデジタルコンテンツの販売によるものではなく、むしろこのシアトルに本拠地を置くオンライン販売大手は、Kindle Fireとデジタルコンテンツを使ってビジネスの大半をなす各種の大衆製品の販売を刺激し促進することにある。AmazonはKindleのハードウェア端末や電子書籍や音楽のようなコンテンツの販売で利益を出そうとしているのではない。その代りにオンラインで販売している靴、おむつ、その他考えられるあらゆる種類の大衆製品の販売で利益を生み出そうとしている。Walmartや他の小売販売メーカと同様に、Amazonのコンテンツビジネスは消費者向け日用品やその他の商品の購入を誘引するようにデザインされている。
この戦略の重要性は過小評価できない。今のところ、デジタルコンテンツと便利な小売販売環境を強く結びつけた小売業者はいない。AmazonはKindleでコンテンツと小売り販売で培った説得力ある試みを実施しようとしている。コンテンツで購買客の興味を取り込み、店内で多くの種類の製品を販売しようとしている。これはまさにWalmartやTargetなどがDVD販売で実施してきたのと同じやり方である。Amazonはこの戦略でコンテンツと端末のロスを覚悟しつつ、結果的にはビジネスとしてやる価値があると見ている。
このビジネスモデルはAmazon特有である。その他のタブレット製品のブランドや、電子書籍閲覧端末のブランドでここまで広範囲な小売サービスを運営する企業はなく、Amazonの2010年の売り上げは340億ドルに及ぶ。言い方を変えれば、自社の製品販売を促進するために特別にデザインしたタブレット端末を販売することができる小売業者はいない。
Android OSを搭載したKindle Fireは多機能端末である。したがって、主な用途はカラー対応の電子書籍リーダであるものの、ウェブ検索用閲覧機能や、アプリケーションをダウンロードする機能を持つ。このような機能をもつためタブレット製品のカテゴリに入るが、それは低価格のタブレット製品というよりも”スーパー電子書籍リーダ”である。
この点が消費者に向けての差別化であり期待するところである。Kindle Fire をiPadの機能に到底及ばないという人もいるが、IHSの見方は、Kindle Fireはスーパー電子書籍リーダであると共に、電子書籍リーダとタブレットの市場を拡大させるものである。この理由からIHSではKindle Fireは十分な成功を見込める製品であると見ている。
iPadよりも頗る低価格である事とスーパー電子書籍リーダという位置づけにより、 Kindle Fireは現在の予測されているタブレット市場を拡大させる製品かもしれない。Kindle FireはiPadに次ぐタブレット製品となりうる可能性がある。
AmazonのKindle Fire はデザイン要素と部品の選択面でResearch in Motionのタブレット製品Playbookと類似している。Kindle Fire もPlayBookも台湾の開発製造委託メーカであるQuanta Computer Inc. が製造している。QuantaはPlayBookの開発で得た技術をKindle Fireに最大限生かしていると思われる。
Kindle Fireの中で最も高価な部位はディスプレイ/タッチスクリーンであり、暫定分析結果では87ドルである。
Kindle Fireに使われているアプリケーションプロセッサはデュアルコアの可能性が高くそのコストは15ドルとなっている。
IHS iSuppli のティアダウン分析チームでは製品の出荷が開始されると完全な分解分析を実施する計画である。
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